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旧豊郷小学校とヴォーリズ [レトロ建築]

「ただひたむきに一歩一歩進めば、たどり着けるよ!自分のゴールに」

イソップ物語「うさぎとかめ」をテーマとした、滋賀県犬上郡豊郷町「豊郷小学校」
残念ながら小学校としての役目は2004年に終えてしまいましたが、
2009年に図書館、子育て支援センター等の町民の憩いの場として息を吹き返しました。

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100815_2.jpg旧豊郷小学校として、一般に公開されている校舎は、昨日までここで子ども達が勉強していたかのような空気を残しています。小学校としての役目を終えてしまったのは残念ですが、このように誰でも素晴らしい建築物に触れることが出来る。ある意味よかったかもしれませんね。

ところで、「豊郷小学校」の名前に聞き覚えのあるひとは多いはず。新校舎建築を巡る町長と住民との対立で、一時期ニュースになりました。町長派と反町長派が厳しく対立し、リコールが成立した後に、また町長が再選されるという、ややこしい話。
どうしてこんな素晴らしい小学校を、建て替えなければいけなかったのか。ひとつは、公共事業による地域活性化。もうひとつは、国が校舎の新築や建て替えより、補修の補助金をあまりにも低く設定していること。
結局、新校舎は建てられました。旧校舎は、ふるさと納税などで約5億5300万円を掛けて改修。保存会の方々の努力の結果、現在に至ります。

そしてこの小学校が注目される理由としてあげられるものの一つ。「ヴォーリズ建築」ということ。以前ブログの中で紹介した「駒井家住宅」や同志社大学「アーモスト館」も、ヴォーリズ建築です。



ウィリアム・メレル・ヴォーリズ(1880~1964)

1905年に英語教師として来日。日本で数多くの西洋建築を手懸けた建築家であり、ヴォーリズ合名会社(のちの近江兄弟社)の創立者の一人としてメンソレータム(現メンターム)を広く日本に普及させた実業家でもある。
(Wikipediaより抜粋)

ヴォーリズの名前を知らなくても、メンソレータムは知っていますよね。メンソレータムをアメリカから輸入し販売したのがヴォーリズです。のちに近江兄弟社は慈善活動による出費が増え倒産。アメリカのメンソレータム社に権利のすべてを返すことになります。現在ではロートが販売、製造を行っています。
メンソレータムと似た名前に「メンターム」がありますが、これは近江兄弟社が、再建後に再び販売した商品でなのです。ちょっとマイナーですけど。
ヴォーリーズ建築は、学校、教会、個人邸と様々ですが、近いうちにブログで紹介していきますね。

■旧豊郷小学校 滋賀県犬上郡豊郷町石畑518
http://www.toyosato-elschool.net/
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