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雁の寺 [お寺]

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相国寺の塔頭「瑞春院」(ずいしゅんいん)
このお寺をモデルにした小説、水上勉著『雁の寺』(直木賞受賞)が
夏の特別拝観中です。7月10日~9月30日
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あらすじ・・・禅寺の住職でありながら愛人にはまっていく住職と、夜遅くまで働かされ、
ろくな食事も摂らせてもらえない少年僧。主人公である住職の愛人「里子」は、
いつしか少年僧への母性と同情から体を与え・・・。
そして少年僧は、里子への母を慕うような気持ちと欲望から住職に殺意を抱いていく。
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この物語の著者「水上勉」は9歳の時、口減らしで「瑞春院」の修行僧となります。
けれども、いつまでも続く厳しい修行に水上氏は耐えることが出来ず、13歳で寺を飛び出します。

物語の主人公「里子」と「少年僧」。そして水上氏の共通点は
帰る場所がなかったというところ。
「雁の寺」には、水上氏の孤独な少年時代が反映されているのでしょうね。
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「雁の寺」の物語の中で少年僧は、「雁の親子の襖絵」に母親を思い出を重ねますが
それは実際に、水上氏が修行僧の時代、このお寺の「孔雀の親子襖絵」に母親を思ったそうです。
これがその襖絵。お寺内は撮影カメラ撮影禁止なので、お寺前のポスターを撮りました。

1961年水上氏42歳「雁の寺」で直木賞受賞

この作品はその翌年、映画化されました。
主人公の「里子」はソフトバンクのCMでおなじみの「若尾文子」さんです。
かなりイイらしいのですが見ていません。
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(瑞春院 京都市上京区上立売烏丸東入)

拝観の感想・・・私はこのお寺の見学前に小説を読んで、想像を膨らませすぎました。
もっと小説の中の暗いイメージをもっていたのですが、実際のお寺は改装をくりかえしているので
明るくてキレイです。他に見学に来ている方々で「雁の寺」の物語を知っている人もいませんでした。
だから、ボランンィアガイドの方の説明も、有名作家の掛け軸や置物の話ばかりで・・・。
沢山のお寺や名所を見学していると、たまにこんな結果になることもあります。愚痴ってすみません。

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